素敵な夜はあなたと・・・

 茜の告白を聞いて動揺しないはずはない優也は、男と別れさせようと茜をマンションへ連れ戻そうと思った。


「茜、シートベルトを着けろ。」


 それだけ言うと優也は車を発進させた。そして、茜が何を聞こうとも行き先は「俺達のマンションだ」とそれだけしか言わなかった。

 茜は優也を怒らせてしまったのかと思ったが、それでも、お互い様ではないのかとかなり優也に対し不満は残った。


 久しぶりの優也のマンションへ到着すると茜は車から降りる気分にならなかった。何故、ここに来なければならないのか茜には納得がいかなかった。


「降りろ、今日からここで暮らして貰う。」

「お祖父ちゃんと約束したのよ。卒業するまでは戻って来なくても良いって!!」

「これも会長命令だ。」


 優也は何事に於いても全て会長が優先で茜はすべてに於いておまけな存在だと言われているようだった。そのおまけというのも、美佐の娘としてのおまけであって、美佐の存在がなければきっと茜には存在価値などないとそんな風に思われているのだろうと思っていた。

 そんな状態で一緒に暮らしても息が詰まるだけで顔も見たくないのにどうして戻って来れようかと、茜は最後の最後まで抵抗するつもりでいた。


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