クールなCEOと社内政略結婚!?
「お前が、今の仕事を誇りに思ってて大切にしていることは俺だってわかってる。だけど、いつか後悔するときが来るんじゃないのか?」
今までにないほど真剣な態度の俊介。
今日はいったいどうしちゃったんだろう?
「〝いつか〟来ることを考えて今、後悔したくない」
言いきった私に、これ以上なにを言っても無駄だと思ったのだろう。俊介はあきらめたようだった。
「それでも、本当に困ったことがあったら、俺に言うんだぞ。結婚だってやり直しができるんだから」
テーブルの上に置いてあった私の手に、俊介の手が重なる。小さい頃つないだ懐かしい手は、いつの間にこんなに大きく、逞しくなったのだろう。
「俺はいつだって――」
「そこまでだ」
いきなり、もう一本手が伸びてきて、俊介の腕をつかみ私から引きはがした。
はっとして、顔を上げるとそこには怖い顔をした孝文が立っていた。いつにも増して冷たいアイリッシュグレーの瞳が私と俊介を見下ろしていた。
「いくら親しいからといって、ひとの家庭の事情に口をはさむもんじゃない」
そして想像以上に低い声にひるんだ私とは違い、俊介は掴まれた手を振りほどき、下から孝文を睨みつける。
「いくら戸籍上夫だからといって、友達同士の会話に割って入るのもどうかと思いますがね」
同じように言い返した俊介の孝文の間に見えない火花が散った。どうして他人のふたりがこんなふうにいがみ合うことになるのだろうか?
今までにないほど真剣な態度の俊介。
今日はいったいどうしちゃったんだろう?
「〝いつか〟来ることを考えて今、後悔したくない」
言いきった私に、これ以上なにを言っても無駄だと思ったのだろう。俊介はあきらめたようだった。
「それでも、本当に困ったことがあったら、俺に言うんだぞ。結婚だってやり直しができるんだから」
テーブルの上に置いてあった私の手に、俊介の手が重なる。小さい頃つないだ懐かしい手は、いつの間にこんなに大きく、逞しくなったのだろう。
「俺はいつだって――」
「そこまでだ」
いきなり、もう一本手が伸びてきて、俊介の腕をつかみ私から引きはがした。
はっとして、顔を上げるとそこには怖い顔をした孝文が立っていた。いつにも増して冷たいアイリッシュグレーの瞳が私と俊介を見下ろしていた。
「いくら親しいからといって、ひとの家庭の事情に口をはさむもんじゃない」
そして想像以上に低い声にひるんだ私とは違い、俊介は掴まれた手を振りほどき、下から孝文を睨みつける。
「いくら戸籍上夫だからといって、友達同士の会話に割って入るのもどうかと思いますがね」
同じように言い返した俊介の孝文の間に見えない火花が散った。どうして他人のふたりがこんなふうにいがみ合うことになるのだろうか?