クールなCEOと社内政略結婚!?
 今では、クールな印象の孝文の可愛い時代? 私の好奇心がむくむくと大きくなる。そういえば孝文の過去について私は何も知らない。

「そんなに、可愛かったんですか?」

 好奇心が抑えられずに思わずお母様の話に食い付いてしまう。

「お前、何言ってるんだ」

 肩を捕まれて振り向くと、裏切った私に焦っている孝文がいた。こんな顔をするなんて意外だったなぁ。

「ごめん……つい興味が……」

「孝文ったら、もう。妻が夫に興味を持つなんて当たり前でしょう?」

「うるさい。もういいから、帰れよ」

 面倒事はごめんだと孝文の顔に書いてある。しかし、お母様は孝文よりも一枚うわ手だった。

「帰らないわよ。あなた達が一緒じゃなきゃ、帰らないから」

 そう言うと、こちらの話を一切聞かないつもりか、腕を組んだままそっぽを向いてしまった。

「あなた達が、うちに来ないって言うなら、私が今日ここに泊まります」

「何言ってるんだよ……」

 心底嫌気がさしたらしい孝文が頭を抱えている。彼にこんな表情をさせるなんて、お母様すごいな。
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