クールなCEOと社内政略結婚!?
「ちょ、ちょっと緊張して。そんな笑うことじゃないでしょう」

「いや、笑うだろ、普通。奥さんが武士になったら」

「だから――」

「もう、ふたりとも見せつけないでよ」

 お母様の言葉にはっとして、食事中だったことを思い出す。

「すみません」

 失敗したと肩を落とした私に、お母様が「違うのよ」と笑顔で首を振った。

「あまりにも仲が良いから、やきもちやいただけ。だって、孝文ったら、私の前では全然笑わなくなったから」

「笑えないようなことばっかりやるからだろ」

 どんな内容だったかは、ここでは聞かないでおいた方がよさそうだ。

「こんなに仲がいいなら、孫の顔ももうすぐね」

 また、その話……どうやって逃げよう。孝文がうまくかわしてくれることを祈る。

「まだ結婚したばっかりだし、それにお互い仕事もしてる。時期がくるまで口出しするなよ」

「でも、赤ちゃんって本当に可愛いのよぉ~そうだ、食事が終わったら孝文の小さいころの写真みせてあげる。可愛いかったのよぉ。泣き顔なんかもうぺロペロしたいくらい」

「ペロペロですか!?」

 どれほど可愛かったのだろうか、是非見てみたい。けれど本人は、お母様の言葉に頭をかかえているようだった。
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