クールなCEOと社内政略結婚!?
「あのとき言ったことは全部本気だ。ニューヨークに――」

「違う、私が言って欲しいのはそこじゃない。守るって……私を守るって言ってくれたよね? だったらどうして婚姻届」

「ストップ! お前焦りすぎな」

 人差し指を唇につきつけられて、黙るしかなかった。でもこっちは熱が出るほど悩んだのに、焦らずにいられるわけがない。

「婚姻届の件は、悪かったと思ってる。あんな形でお前に知られる前にちゃんと話しをするべきだったんだ」

 孝文の手が私の手に伸びてきた。優しく指が絡んで、それまで焦っていた気持ちが幾分落ち着いた。

「どうして提出してなかったの? あんなに時間があったのに……私たちが夫婦じゃないって知って、私ショックで……」

 事実を知ったときのショックがフラッシュバックして胸が痛み、それに耐えるように唇を噛んだ。

「俺たち、本当に夫婦じゃないのか?」

 孝文は私にそう尋ねながら、繋いでない方の指先で私の唇を労るように撫でた。

「俺たちは紙切れよりも大事なもので結ばれている、俺はそう思ってるけど。違うのか?」

「紙切れよりも大切なもの?」

 意図することがわからずに聞き直した。
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