クールなCEOと社内政略結婚!?
「そんな不幸しか想像できないドレス売れると思うか?」

「そっか。普通の花嫁は走り回らないよね」

 言われてみればそうだ。駆けずり回る花嫁なんてドラマの中が私くらいだろう。

 反省した私を見た孝文がくすくすと笑い始めた。

 信号で止まると、笑顔のまま私をみつめてくれる。

「まぁ、そんなふうにドレスでも構わず全力疾走できるお前が好きだけどな」

 彼の顔が近づいてきて、私の頬に小さなキスをした。

「どうする次は? 池にでも飛び込んでみるか?」

 あの見合いの日の話しを持ち出す孝文の肩をグーで叩いて、私は告げた。

「孝文と一緒なら、どこへでもついていくよ」

 私の答えに満足そうに満面の笑みを浮かべた。

「だったら……行き先は決まったな。早くふたりっきりになろう」

 私は孝文のその提案に、静かに頷いた。
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