クールなCEOと社内政略結婚!?
「あさ美ぃいいい! 綺麗だよ。パパはもう死んでも……いや、死ぬのは怖いからムリだけど――」

 式が終わった後も号泣し続ける父を尻目に、私たちは控室へ戻ることにした。

 紅い絨毯が敷かれた廊下を孝文に手をひかえて歩く。

「なんか、大変なことになっちゃったね」

「あぁ。なんのために俺がお前にまでこの計画を秘密にしてたのか……」

 相変わらず父と義母の無駄な行動力の高さには脅威すら覚える。

「あれ、孝文……控室はこっちでしょ?」

 式が始まる前に使った部屋とは反対方向へ向かっていた。そっちはたしか出口のはずだ。

「逃げるぞ。あいつらに付き合ってられるか」

 そう言うやいなや、全速力で走り外に飛び出した。そこには準備されていた車があり、運転席に飛び乗った孝文に倣い、私もドレスの裾をまくりあげて飛び乗った。

 車が走りだすと心地よい風が窓から入ってきて頬を撫でた。

「私、いいこと思いついた。走りやすいウエディングドレスってどうかな?」

 今思いついたばかりのアイデアを孝文に離して聴かせる。
< 237 / 239 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop