クールなCEOと社内政略結婚!?
そこに、綺麗なネイルを施した白い手が伸びてきた。
パッとその相手を見て、驚きで体制を崩しそうになった私を梨花ちゃんが支えてくれる。
「みや……、佐々木さん……」
声がうまく出ずに、掠れてしまった。しかし、相手はそんなこと気にせずに、にっこりと笑う。その大人の妖艶な笑みに同性なのに思わず引き込まれそうになった。
すべて拾い終わり、勢いよく立ち上がり、
「ありがとうございます」と頭を下げた。
「やだ、そんな頭を下げないで。私は佐々木雅です。今日からデザイン部でお世話になります」
お世話になるだなんて、なんて謙虚なんだろう。実際は雅さんがこの部署を引っ張っていく立場になるだろうはずなのに。
そんな控えめな態度が、ますます私のファン魂に火をつける。
「宗次あさ美です。お会いできるのをすごく楽しみにしてました」
興奮して顔が赤くなっているのも、体が前のめりになっているのも自覚しているが、どうにもならない。
遠くから部長が佐々木さんを呼ぶ声が聞こえた。
「宗次さん……また後でね」
そういうと、あまり嗅いだことのないさわやかな残り香を漂わせて彼女は行ってしまった。
「雑誌でみるより、綺麗ですね。それに床に落ちた資料を拾ってくれるなんて、優しい」
「そうだね」
私は、部長と話す雅さんの姿に釘付けだ。
「あんまり見てると、ストーカーみたいですよ」
梨花ちゃんの言葉に、はっとして私は我に返る。
「たしかにそうだね。でも、本当に一緒に働けるだなんて……嬉しい」
これからは間近で彼女の作品に触れることができる。制作の過程や仕事の仕方、はやく彼女と仕事をしたくてたまらなかった。そのためには、彼女に認めてもらえる仕事をしなくてはならない。
ぼーっとしている暇はない。私は今まで以上の気持ちで、仕事に取り組んだ。
パッとその相手を見て、驚きで体制を崩しそうになった私を梨花ちゃんが支えてくれる。
「みや……、佐々木さん……」
声がうまく出ずに、掠れてしまった。しかし、相手はそんなこと気にせずに、にっこりと笑う。その大人の妖艶な笑みに同性なのに思わず引き込まれそうになった。
すべて拾い終わり、勢いよく立ち上がり、
「ありがとうございます」と頭を下げた。
「やだ、そんな頭を下げないで。私は佐々木雅です。今日からデザイン部でお世話になります」
お世話になるだなんて、なんて謙虚なんだろう。実際は雅さんがこの部署を引っ張っていく立場になるだろうはずなのに。
そんな控えめな態度が、ますます私のファン魂に火をつける。
「宗次あさ美です。お会いできるのをすごく楽しみにしてました」
興奮して顔が赤くなっているのも、体が前のめりになっているのも自覚しているが、どうにもならない。
遠くから部長が佐々木さんを呼ぶ声が聞こえた。
「宗次さん……また後でね」
そういうと、あまり嗅いだことのないさわやかな残り香を漂わせて彼女は行ってしまった。
「雑誌でみるより、綺麗ですね。それに床に落ちた資料を拾ってくれるなんて、優しい」
「そうだね」
私は、部長と話す雅さんの姿に釘付けだ。
「あんまり見てると、ストーカーみたいですよ」
梨花ちゃんの言葉に、はっとして私は我に返る。
「たしかにそうだね。でも、本当に一緒に働けるだなんて……嬉しい」
これからは間近で彼女の作品に触れることができる。制作の過程や仕事の仕方、はやく彼女と仕事をしたくてたまらなかった。そのためには、彼女に認めてもらえる仕事をしなくてはならない。
ぼーっとしている暇はない。私は今まで以上の気持ちで、仕事に取り組んだ。