クールなCEOと社内政略結婚!?
「当り前だろう。今日はお前の誕生日なんだから」
「なんだ、ちゃんと覚えてくれてたんだ」
私は嬉しくなって笑みを浮かべた。今日は私の二十七回目の誕生日。大人になってからは小さな頃のように、大きなケーキを前にロウソクを消すような誕生日のお祝いをあまりしなくなったけれど、こうやって自分の生まれた日を覚えていてくれて、祝ってくれる人がいることが嬉しい。
「実は今朝、お父さんから電話があるまで、忘れてたんだけどね」
「おい、まだボケるには早すぎるだろ?」
俊介の言葉に唇を尖らせた。
「ちょっと、言いすぎじゃない? 最近仕事も忙しいし、引っ越ししたりしてバタバタしてうっかりしてただけだし」
正直のこのひと月で私の人生が激変した。特別孝文のために何かをしているわけではないが、生活環境の変化や、結婚を周囲に秘密にしていること……色々と重なって、常にキャパオーバーの状態だった。
「だから今日は、俊介に会えてよかった」
「宗次……」
「あ、ビール来た。先に乾杯しよう」
私の提案に、お互いのグラスにビールを注ぎ合う。そしてカチンとグラスを合わせ、「おめでとう」という俊介の言葉に「ありがとう」と返した。
「これで、俊介に誕生日お祝いしてもらうの、何回目だっけ?」
「そんなの、覚えてない」
毎年、当日でなくてもきちんと声をかけてくれた。よく考えれば家族同様、ずっと一番近いところにいてくれたのだ。
「なんだ、ちゃんと覚えてくれてたんだ」
私は嬉しくなって笑みを浮かべた。今日は私の二十七回目の誕生日。大人になってからは小さな頃のように、大きなケーキを前にロウソクを消すような誕生日のお祝いをあまりしなくなったけれど、こうやって自分の生まれた日を覚えていてくれて、祝ってくれる人がいることが嬉しい。
「実は今朝、お父さんから電話があるまで、忘れてたんだけどね」
「おい、まだボケるには早すぎるだろ?」
俊介の言葉に唇を尖らせた。
「ちょっと、言いすぎじゃない? 最近仕事も忙しいし、引っ越ししたりしてバタバタしてうっかりしてただけだし」
正直のこのひと月で私の人生が激変した。特別孝文のために何かをしているわけではないが、生活環境の変化や、結婚を周囲に秘密にしていること……色々と重なって、常にキャパオーバーの状態だった。
「だから今日は、俊介に会えてよかった」
「宗次……」
「あ、ビール来た。先に乾杯しよう」
私の提案に、お互いのグラスにビールを注ぎ合う。そしてカチンとグラスを合わせ、「おめでとう」という俊介の言葉に「ありがとう」と返した。
「これで、俊介に誕生日お祝いしてもらうの、何回目だっけ?」
「そんなの、覚えてない」
毎年、当日でなくてもきちんと声をかけてくれた。よく考えれば家族同様、ずっと一番近いところにいてくれたのだ。