浮気男に絡めとられたら(続・恋愛格差)

小さな部屋は古いながらも綺麗に片付けられていた。
子供の物なんかはごちゃごちゃ置いてあるけど。
 
誠ちゃんは招き入れてしまった私をまだ完全に信頼できないようで、ソワソワしている。
だから、少しでも安心できるようにゆかりさんの事を話した。

「ママがね。心配して、暇な私に『様子を見に行って』って頼んだの。……私は毎週、ママの店に行ってるんだよ。」
「店?あれは男が行くとこだろ。」
「最近は女も行くんだよ!別に行ったっていいんだから。」
「……そうなの?」
あの店で私以外は女の客は見たことないが、間違ってはいない。

「そうそう。ママと私はよく話すんだよ。誠ちゃんの事ばっかりだけどね。店のママの事も大好きだし、結構行ってる。」

「ほんと?俺も和子ママ好き!」
「和子って言うの?」
「そんなに行ってて……何で知らないの?」
疑惑の眼差し……
ヤバイ。僅かに芽生えた信頼の芽を摘み取っちゃうところだった。

「だって!誠ちゃんママの事は『ゆかりさん』って呼んでるし、店のママの事は『ママ』って呼んでるんだもん。『かずこ』なんて知らなくてもわかるもん。」

「そっか。」

納得していただけた様子。よかった。

「ママの友達って会ったことないけど、ほんとにおばさんはママの友達なの?」

質問された事より『おばさん』に反応した。

「おばさんって……」
まぁ確かに5才から見たら母親と同じ年頃の私はおばさんだろうけど。
だけど私は結婚前の20代なのに…… 

「前にママと公園に行って話しただろ?おばさんが帰った後、ママ凄く辛そうだったんだ。その後も上の空で…………おばさん、ほんとに友達?」
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