浮気男に絡めとられたら(続・恋愛格差)
ドタバタだけど幸せです

「透子ちゃん、また遊びに来てね!」

大きく手を降った誠ちゃんとゆかりさんに、私も負けじと手を降って私たちは帰路についた。

帰る場所はもちろん私の部屋。

「明日、帰るの?」
「いや、週頭で大丈夫。」

じゃあ二日間はこっちに?
嬉しすぎるサプライズ。

「透子を驚かそうと思って黙ってたのに、俺が驚かされたよ。」
「へへ……ごめんね……」
「もう、隠してることないだろうな?」

繋いだ手をギュウッと強く握って私の顔を覗き込んだ。

その整った顔で真剣に見つめられると、どんな状況でもドキッとする。

「もう、俺のとこ来れる?」
「あ、えっと。」
「仕事やめたらすぐ引っ越せるよね?」

しどろもどろな私は、追い詰められた。

そうだ。もう一つあったんだった。
先日、部屋飲みしてた時にあったカズからの電話。

「なんだよ。まだ何かあるなら吐け。今すぐ。」
「吐けって……。そっちには連絡なかったの?」
「連絡?誰から?何の?」
「あーれー?おっかしいなぁ……」

完全に歩みを止めて、歩道の端に連れていかれる。
そして両肩をホールドされ、今私達の距離は20センチほど?

「なに?」
「や、だから……。二ヶ月後の結婚式の後……仙台に行こうかと」
「結婚式って誰の?俺じゃないよね?万里子さん……でもない。」
「カ、カズの。」
「…………まだ付き合ってんの?っていうか、出席するほど仲良いんだな……」

優の睨みが入ってくる。
嫉妬が混じっているとはいえ、怖いよ!

「優も一緒に来てほしいの!というか!頼まれてるの!」
優はしばらく考えて、
「はは~ん。アイツは俺に詫びを入れたい、と。そういうことか?や、ダメだな。二ヶ月も。」
「だけど二次会の場所探しとか……こっちにいないとできないし、新郎新婦と決めることもあって……」
「二次会の場所探し?……まさか幹事か!?
何考えてんの、アイツ。ちょっと電話しろよ、俺が断ってやる。」


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