空から雨が降る日。【完】



「毎日、…来てたの?」

「別に毎日なんてこねえよ。俺は忙しいからな」

そう言いながらビールをグビっと飲む。

「じゃあなんでボトルなんて作ったの。滅多にこないなら必要ないじゃない」

「そんなの、…俺の勝手だろ」

「…っそりゃ、そうだけど…っでもっ」

晴太の言葉に、声をあげる。


意味がわかんなかった。

忙しいとか言いながら、こんなとこに飲みに来て。

私、知ってるんだよ。
晴太の家が本当はちょっと遠いこと。
なのに遅くまで一緒にお酒飲んで、さ。

私の熱のことも知っててさ。

なんなの、本当。


「全然、…わかんない」


わかんないよ…。

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