空から雨が降る日。【完】



空雨に謝まった日、気持ちを全て伝えたあの日からもう1年が経過していた。
時間が過ぎるのは本当にあっという間で、今では空雨のことを笑って話せている。


「あの時には想像していなかったなぁ…」


空雨のことを笑って話せる日がくるなんて。

あの時の私には想像すらできなかった。
思い出す度に苦しくて、涙が出て。そんな私を変えてくれたのは…ある一人の男の子だった。

ウソまでついて私から離れて行った。
私を守りたいと、だけど傷つけるのが怖い。傍に居たら幸せにできないと身を削ってまで、想いを隠してまで私を一番に考えてくれていた。

そしてやっと、その人が私にとってどれほど大事な存在なのか気づけた。

好きとか、恋とか、そんなんじゃなくて。
ただ傍にいてほしい人。恋人とかそんなんで現せないほど大事な存在で。


だけど―…

『雫のこと、好きだから。ガンガン攻めてくよ』

はじめて、あなたが空雨を超えたいと思っていたことを知った。
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