空から雨が降る日。【完】


恋に不慣れだった私は“攻めていくから”の意味が理解できなくてただ普通に今まで通り接していた。

だけど彼は、ちがくて。


私を手に入れたい


そんな思いで、毎日のように隣にいてくれた。


空雨にしか恋をしたことがなくて、空雨しか好きになるわけないと思っていた私でも新しい恋に落ちるのはそう、遅くはなかった。

だけど空雨のこともあってか、中々素直になれない私はズルズルした関係を過ごしていった。


このままじゃダメなんだ、ってわかっていたし、優子にも『いい加減素直になりなさいよ』と、『このままじゃかわいそう』とか言われ続けていた。


私の一番はずっと空雨だった。
空雨を超えられる存在はいないと、思ってた。
だけど、流れていく時間は残酷で。

空雨は私の中で、永遠に好きな人として変わって行った。


そして―…

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