空から雨が降る日。【完】



「じゃあ、行ってくるね」

毎日、一度も欠かしていない空雨への挨拶。

おばさんにも挨拶をして家を出る。


「…おはよう」

仕事場に着き、扉を開けると走って駆け寄ってきた優子に声をかける。

「…ごめんね雫」

そんなか細い優子の声に私は笑った。

「な、なんで笑うのっ」

「別に。優子らしくないなって思って」

人一倍、気を遣う女の子。

きっと昨日のことは自分が悪いと思っているのだろう。


私は優子に笑顔を向けて、ありがとうと言った。

< 60 / 311 >

この作品をシェア

pagetop