コクリバ 【完】
「市原には、マジで気を付けろよ」
私の家に向かいながら、先輩が言っている。
「アイツは、今は仮面被ってるけど、本当はエロイんだからな」
「そうは見えなかったんですけどね…」
今日のことでよく分かりましたけど
「みんな騙されてんだよ。隙を見せんなよ」
「はい」
「……ダメだな。おまえは隙だらけだな」
頭ごなしに否定されて、悔しかった。
「大丈夫ですって。私には好きな人がいますから」
「誰だよ」
「え?」
「おまえの好きな人って誰だよ」
見ると高木先輩は笑っていた。
私に好きって言わせたいんだと思う。
口にしようとしたら、顔が熱くなって……恥ずかしすぎる
まだ私には愛の告白なんて無理だ。
「だから隙だらけなんだっつってんだろ。
今度からは俺も行くからな」
「どこにですか?」
熱くなった頬をパタパタ扇ぎながら聞いた。
「おまえがモデルするとき」
「え?」
「あいつと二人きりになんてできるかよ」
そう言いながら、嬉しそうに笑っている高木先輩を見て、本当の目的は私じゃないような気がした。
本当の目的は、市原先輩じゃないだろうかと……
おそらく、この時の私の勘は当たっていただろう。
高木先輩はその言葉通り、私が市原先輩にモデルを頼まれた日には必ず美術室にやってくるようになった。
そうして、市原先輩に楽しそうに話しかけていた。
市原先輩も面倒そうな言い方をするけど、本気で来るなと言ってるようではなかった。
私の家に向かいながら、先輩が言っている。
「アイツは、今は仮面被ってるけど、本当はエロイんだからな」
「そうは見えなかったんですけどね…」
今日のことでよく分かりましたけど
「みんな騙されてんだよ。隙を見せんなよ」
「はい」
「……ダメだな。おまえは隙だらけだな」
頭ごなしに否定されて、悔しかった。
「大丈夫ですって。私には好きな人がいますから」
「誰だよ」
「え?」
「おまえの好きな人って誰だよ」
見ると高木先輩は笑っていた。
私に好きって言わせたいんだと思う。
口にしようとしたら、顔が熱くなって……恥ずかしすぎる
まだ私には愛の告白なんて無理だ。
「だから隙だらけなんだっつってんだろ。
今度からは俺も行くからな」
「どこにですか?」
熱くなった頬をパタパタ扇ぎながら聞いた。
「おまえがモデルするとき」
「え?」
「あいつと二人きりになんてできるかよ」
そう言いながら、嬉しそうに笑っている高木先輩を見て、本当の目的は私じゃないような気がした。
本当の目的は、市原先輩じゃないだろうかと……
おそらく、この時の私の勘は当たっていただろう。
高木先輩はその言葉通り、私が市原先輩にモデルを頼まれた日には必ず美術室にやってくるようになった。
そうして、市原先輩に楽しそうに話しかけていた。
市原先輩も面倒そうな言い方をするけど、本気で来るなと言ってるようではなかった。