コクリバ 【完】
夏休みに入る直前のこの日、清々しい程の晴天が広がっている。

そんな時にうちの高校はクラスマッチと呼ばれるクラス対抗の球技大会があった。

男女別に、バレー、バスケ、ソフトボール、テニスの4種類に分かれて、クラスで戦うというもの。

先生達もあまり厳しくなく、夏休み前の息抜きといった感じだった。

ただ一つだけ決まりがあった。
例えば、バスケ部はバスケに出てはいけないというもので、
部活でやってる人は、その競技には出られないというルールだった。

朝から全校生徒が、体育館やグラウンドやテニスコートに溢れている。

私は絢香とソフトボールに出たけど、1回戦で2年生に負けてしまったので、早々に他の競技の応援に行くことにした。

もちろんバスケ部男子の多くが出ている、男子バレーの応援がメイン。

体育館には、周りをとりまくように2階部分がある。
正面玄関の上だけ広くなっているが、あとは通路程度の狭さ。
それでも多くの人間が行き来しながら、クラスマッチを応援していた。

私たちも、男子バレーがよく見える場所に陣どった。

ちょうどうちのクラスがやっているところで、吉岡が出ていた。

「がんばれー」
「1年1組ー。頑張れー」

他の声援に混じって、私たちも声を出す。
ちょうど吉岡が点数を取って、嬉しそうに笑いながら私たちに手を振るから私たちも手を振り返した。
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