Those who met those lost(失ったもの、出会ったもの)

**出国前に


圭吾と尚子は、顔を見合わせて
「本当なら、
私らのそばにいて欲しい、
快復も見ていきたいし
でも、杏が決めたらいいよ。」
と、圭吾が言うと
尚子も頷いていた。

みんなは、杏を見守る。

杏は、少し首をすくめ‥‥‥‥

貴晃の顔を少し‥‥見て

それから
「お父さん、お母さん
沢山、たくさん心配かけて
ごめんなさい。

私、貴晃と生きてみたい。
そうしなさいって
前の私も言ってるみたい。

足がこんなだから、
貴晃に迷惑かけるけど。

『なぜ、貴晃の事はわかっているのか』
知りたい。
それに、不思議に貴晃といると
優しい気持ちになるの。

だけど、
信吾さん、陵ちゃんも
いいですか?
私が、貴晃のお嫁さんで?」
と、言うと

「いいに、決まってる。」
と、信吾。
「当たり前。
貴晃は、ずっと杏しかみてなかったから
私も信吾も、貴晃の嫁は
杏しか考えてなかったもん。」
と、陵。

圭吾も尚子も、涙を流しながら
うん、うん、と、頷いてくれた。

貴晃は、杏を抱き締めた。
「杏、愛している。
それは、ずっと今からも
変わらないよ。
一緒にイギリスに来て欲しい。」
と、言った。
杏も
「うん、私も貴晃がきっと好き。
沢山、迷惑かけると思うけど、
宜しくお願いします。」
と、言った。

貴晃は、先にイギリスに戻り
杏の住みやすい家に移り
準備をすることに。
式は、落ち着いてから
と、言うことになった。

杏は、出国の前に姉に合いたい
と、両親に言った。
< 48 / 57 >

この作品をシェア

pagetop