Those who met those lost(失ったもの、出会ったもの)

**芦田 杏


干菜は、家に帰ってきた。

それからの短い時間
家族は、四人で過ごした。

杏の記憶は戻る事は、なかったが
そんなことは関係なく
四人は、楽しく過ごした。

それから、杏は
貴晃の待つイギリスに
向かった。

空港には、貴晃が迎えにきていた。

貴晃は、杏の姿を見つけると
「杏っ、そこにいて。」
と、走り近づいた。
貴晃は、杏を抱き締めた。
「杏っ、やっときたね。
    待っていたよ。」
「貴晃っ、ごめんね
  待たせてしまって」
「待ち遠しかったよ。
  杏っ、杏、愛してる」
「私も会いたかった。
    貴晃、大好き。」
と、言うと

貴晃は、おでこに‥‥
鼻に‥‥
頬に‥
顎にキスをして
唇にふか~いキスをして
杏の唇を堪能した。

杏は、貴晃の背中をトントンとして
貴晃は、
「うん?」
「貴晃、外だから。」
と、真っ赤になって言うと
「こちらでは、平気だよ。」
と、言うから
「もう、ダメ。」
と、言って、
貴晃を置いて
スタスタと歩いて行った。

「あっ、杏!
まったく、久しぶりに
会えた恋人に。」
「もう、ずっと一緒に
いるんだから、いいでしょ。」
と、言うと
今度は、貴晃の方が
真っ赤になって。
「クスッ、そうだね。
僕の奥さん。
あっ、いい忘れた。

杏は、今日から
「芦田 杏」だからね。
日本でもイギリスでも。
どうぞ、宜しく。」
と、言って杏の左手に指輪をはめた。
「なっ、サプライズ?」
「まぁね、母さんが。」
「あなどれないね、陵ちゃんは。」
と、二人で笑いながら
新居に向かった。
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