家族の絆
 真由美が都内に住むようになってから、すし屋〔ひょっとこ〕に行くときには必ずといっていいぐらい一緒に訪ねていた。
「僕が、親父さんと話しているときは、真由美は女将さんと話をしていた。お店にいたときは、4人全員で話をするというより、僕が女将さんと真由美が親父さんとのこともあった」
 そういえば、真由美と行くようになってお店に泊まったことはほとんどなかったことを思い出した。4人で泊まれる広さがなかったからかもしれない。そうか、それで、お店を切り盛りしながらだから、4人全員で話したことがあまりなかったんだと思った。真由美を連れて行くようになってから娘ができたようだと本当にたいそう喜んで、僕のこと以上に真由美のことをかわいがっていた。
「確かに、親父さんも女将さんもその当時の真由美とのことを知っているから、僕と真由美は結婚しているだろうと当然思うだろうなあ!」
 親父さんたちは、ユキにもその当時のことを話していたので、そのように思っても当然かもしれなかった。
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