家族の絆
 週明け早々の15日にも、ユキは会いたいと昼休みに携帯へメールが入ってきた。17日(木)は、田町の本社に行く機会があるので、その後で、時間は取れるだろうと返事を返しておいた。
 岩城研究所長から研究所の業務について話し合いたいので、時間を作るようにその日の午後一番に言われた。あまり気乗りのしない話にならざるを得ないだろうと覚悟していたが、その日の5時過ぎに時間を調整して会う事にした。
「やはり、それなりの成果を出せないと評価が下がってしまうのは当然のことだと思う。他部門のレーザーが原因だというのも理解している」
岩城は冷静に切り出したが、祐一としては、成果の話を蒸し返そうとしているのかとちょっといい気はしなかった。
「しかし、山崎君がそれに対して全く受身になっていることが、ちょっと気に入らないことなんだ。例えば、世の中に優れたものがあれば、社内外に拘わらず、それを活用したらいいと思うんだ。どうかね!」
やはり、他社から来られた立場での意見だなと、祐一は、少し冷ややかな気持ちで聞いていた。
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