家族の絆
「この前話してくれた真由美さんのこと、今はどうしているの?」
 その後、赴任する前だったから、7年ぐらい前だが、関西に出張する機会があって、京都に住んでいる友人と久しぶりに会った。彼は、祐一が付き合っていた当時の真由美のことを知っていて、ちょっとドライブしようかといって、亀岡まで行ったことがある。しかし、その当時、20数年前は桑畑ばかりだったのに、その時は様子が全く変わっていて、真由美の家がどのあたりだったかさえ検討のつかない状態で、学生のときに別れてからというもの、その後どうしているのか全くわからない。現実に、その友人が亀岡へドライブしようといわなければ、真由美のことを思い出すことはなかったであろう。今回だって、ユキが真由美と言わなければ、封印されたままひっそりと心の奥底で、じっとしていたに違いない。ともかく、その後の真由美については全く知らなかった。
「きっと幸せに暮らしているよね」
ユキがひとこと付け加えた。
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