家族の絆
 一人住まいを始めて、半年ほど経った頃に社員旅行があり、といっても近くの遊園地のようなところに出掛けて、本当の目的はその後で、豪華な食事をすることだった。その日は、本当に大変豪華な食事だった。それで、みんな大きな気持ちになって、お酒もかなり入り、ユキも三次会までみんなに付き合うことになってしまった。そのために、その日は浜松に帰るタイミングを失ってしまった。
「お酒のせいばかりではなかったと思うの、彼はわたしのマンションに泊まることになってしまったの」
その時のことが、思い出されたようだった。
「その時は、自分としても、本当は一緒に居たかったから、そうなったんだろうと、今思い返してもそう思うの」
彼は、それからというものユキのマンションに入り浸るようになってしまったとのことだ。
「その頃、正直にいうと、彼の奥さんから彼を奪ったみたいで優越感に浸っていたのだろうと思うの」
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