家族の絆
「だから、3月のあの日、ひょっとしてと思っていたら、帰りがけに山崎祐一と名乗るし、お義父さんから何度も話を聞いていた人が目の前の人だったんで、あの後しばらく放心状態だったの・・・」
それよりも、あの頃もっと大変なことが起こっていて、ユキとしては、祐一に伝えるべきかどうか、全く判断がつかなかったということだった。
「急に話をしても、祐一さんには全く対応が出来ないと思ったの。だからあの時、何も話さないでそのまま見送ったの」
祐一とユキとが初めて逢った3月より、1ヶ月ほど前の2月16日に、女将さんも亡くなってしまっていたというのだ。そのために、何度、女将さんのことを尋ねても言い出せなかったということだ。
「だから、わたし・・・」
ユキはそのときのことを思い出したのか、泣き出してしまった。
それよりも、あの頃もっと大変なことが起こっていて、ユキとしては、祐一に伝えるべきかどうか、全く判断がつかなかったということだった。
「急に話をしても、祐一さんには全く対応が出来ないと思ったの。だからあの時、何も話さないでそのまま見送ったの」
祐一とユキとが初めて逢った3月より、1ヶ月ほど前の2月16日に、女将さんも亡くなってしまっていたというのだ。そのために、何度、女将さんのことを尋ねても言い出せなかったということだ。
「だから、わたし・・・」
ユキはそのときのことを思い出したのか、泣き出してしまった。