春、さくら、君を想うナミダ。[完]
「ねぇ、どうしたの?」
あたしは腕を掴まれたまま、放送室の中をキョロキョロと見回した。
よかった……。
放送室の中には、誰もいない。
――カチャン。
彼は放送室のドアの鍵を中から閉めると、あたしの腕を離した。
強く掴まれていた腕が、痛い。
「ハルくん……?」
いつもと違うハルくんの表情。
なんだか怒ってるみたいだった。
「こんなところ、ふたりでいるのが見つかったら大変……」
「もう誰もいないだろ」