春、さくら、君を想うナミダ。[完]
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彼と“友達”になってから、
週に2、3日は、放課後にあの場所で待ち合わせをして一緒に過ごした。
誰もいない静かな湖畔のベンチ。
片耳ずつイヤホンをして一緒に音楽を聴いたり、
彼から借りた本の感想を話したりした。
愛犬のモモの散歩に、一緒に付き合ってくれたりもした。
友達がたくさんいて、女子からも人気のある彼が、
どうしてあたしと友達になってくれたんだろうって。
どうしてこんなふうに仲良くしてくれているのかなって、ずっと不思議に思っていた。
だけど、ある日……。