メガネ男子と同居中

「別荘?!」

「そうなの。年越しはいつもそこで家族揃ってすごしてるの。莉子ちゃんさえ良ければ一緒に来て欲しいなって」

「ほぉ…」

「母さん、水谷さんだって予定があるよ。友達とか恋人とか、僕と違って忙しんだ。無理に誘うのはやめてよ」

黒瀬がいきなりそういう。

恋人って…。

「あら…莉子ちゃん…ごめんね!彼氏さんがいるなんて知らなくて…そうよね…莉子ちゃんだものね…」

「すみません…私はその日、お留守番してますね。たまには家族だけで楽しんでください!私いると変に気を使っちゃうと思うし」

「そんなことないのに…残念ね…」

「今年も静かな大晦日になるのかね…」

麻友さんとパパさんが残念そうにする。

「仕方ないわ…またいつか、絶対一緒に大晦日過ごしましょ!」

私の手を握り麻友さんが強くいう。

「はい!ありがとうございます!」

「でも珍しいね、葵がそういう気を使うなんて」

「ほんとね〜お母さんちょっと見直した!」

「はぁ…」

黒瀬は少しため息をつくと、食事を再開した。


別荘…。

本当はちょっと行きたかったな。

でも、マコトくんと過ごすって約束したし、優子たちとの約束だっていっぱいで、予定パンパンだもん。


またいつか、機会があれば。


黒瀬家との年越し。

参加したいな。

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