真夜中のアリス
「朱鳥くん…!!どうして!?どうしてまたあたしを置いていくの…!?」
悲鳴にも似た叫び。決して届かない。
ぽつり ぽつり。
「置いていかないで…!もう独りは嫌なの…!」
泣き出しそうだった空も耐えきれなくなってしまったのだろうか、地面を濡らしあっという間にあたしも空の涙に身を濡らす。
まるで、あの時と同じ状況。そして、気付いた。人の瞳があの時以上に冷たいものであることに。
「…?」
気付いて貰えぬ悲しさと隣に暖かさがない孤独感を芽生えたあたしに突き刺さる数々の視線。
先程まで、人の気配などなかったもの同然だったのにも関わらず。
その視線には一切の暖かさは無く、向けられるは同情哀れみ。そして見下しているかのような蔑み。
そして小さな話し声。
その言葉は全てあたし自身に向けられている、悪意に満ちたようなものだった。