真夜中のアリス

地鳴りのような低い声、慌てて声の方向に顔を向ける。直後、身体は硬直。声をあげようにも口ばかりが勝手に動きどうもこうも声にならない。腰が抜けてしまったようで立ち上がることも今のあたしには至難の技である。視線の先、そこには。

「はっはっは、君が初めてだよアリス。儂を見て逃げ出そうとしない人間は」

身長で例えるのであれば、軽く200㎝は超えているだろう。巨大な身体に全身が緑色をしていて首元らしき部分には鮮やかな朱色の蝶ネクタイ。頭頂部には背の高そうなシルクハットがなかなかお似合いの…。

「い、芋虫…!食べないでっ!あたし美味しくないよきっと!」
< 114 / 349 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop