真夜中のアリス
街行く人は誰ひとりとしてあたしを見ても不思議そうにも見ることはなかった。
こんな大雨なのに、傘もささないで歩いているというのに。家路を急ぐ彼らには他人になど興味はないし視界に入らないのだきっと。
「あ、バイト…連絡してない」
けれどもうどうでも良かった。あの人のいないこんな世界の出来事なんて、もう何の興味さえ沸かなかった。
自分がどうなろうと、それさえもどうでもよくなっていたのだ。
そんなあたしを包むように何時の間にか夜は静かに訪れ、雨は強さを増して闇を連れてくる。