真夜中のアリス

「それでも前に進むしかないから、あたし行くね」

それだけを話して立ち去ろうとした。と同時にゆっくり聞こえてくる声。

「…このまま、まーっすぐ行くともーっとおっきなキノコが生えてる草原があるの」

黙って聞いてくれていたさくらがゆっくり口を開く。それに引き続いてスイレンもはっきりとした声で言葉を繋ぐ。

「一際大きなキノコが生えている横にそれはまた大きな樹が栄えているんだ。
その樹の上には、それはそれは無表情な笑顔の知識者がいるんだ」

「…はい?」

“無表情な笑顔”とは一体どういった表情の事を言っているのだろうか?

「「何でも知ってる知識者。そいつに聞けば、少しはアリスの手助けになるよ♪」」
< 222 / 349 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop