真夜中のアリス
Scene6 Tea party

さあさあと手を引かれて、戸惑いながらもエスコートに身を委ねれば背後には色とりどりの薔薇が咲き誇り華やいでいて一番賑やかな席へと案内される。

「どうぞ?」と椅子を引いてもらい着席すると、テーブルの上には一輪の可愛らしい薄紅の薔薇。

「これは、アリスへの親愛と友好を誓った贈り物。受け取って貰えるよな?」

黒のシルクハットと茶色の短髪が似合うお茶会の主催者で庭園の主はにこやかに手を広げている。断れるはずも断るつもりも微塵にもない。

「…あ、ありがとう!大事にするね!」




Scene6 Tea party
< 248 / 349 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop