真夜中のアリス

「…2、3個。それとあとケーキとお煎餅食べたい」

「はい、どうぞ。ていうかこんなところにお煎餅なんてありませんよ」

何よりも口にしたいものを遠慮がちに伝えてみたが予想通りというべきなのだろうか、やはり不思議の国にもないものはないらしい。

「あ、やっぱり?」

呆れた顔であたしを見る彼女に対して、笑って誤魔化そうと口角をあげる。

「いーや。俺には抜かりがないからな、ちゃあんと用意は出来てるぞ」

すると頭上から降り注ぐ低音ボイス。何やら鮮やかな華の飾りが施された物を手にして、にこやかに示唆しているのはナイトくん。
もう片方の掌には小豆色をした丸い容器。その容器の中に更に丸いものがたくさん軒を連ねていた。
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