真夜中のアリス
「…っ」
言葉を無くし小さく舌打ちをして、髪を掻きあげ立ち往生を決めていると、またもやウサギはぴょんと一跳ね。今度はわかりやすいように裏路地へと侵入していく。
「ちょ…っ、待ちなさいよウサギ!」
心の奥底で思っていたのかもしれない。誰でもいいから、誰かの傍にいたい。
何時ものように、またあの人の事を思って泣き眠りたくない。もう独りではこの寒さに耐えきれそうにはないから。
だから無我夢中で正体不明のウサギを追いかけていたのかもしれない。