真夜中のアリス
「はい。昨晩は闇夜の日でしてね。
あ、闇夜の日っていうのはですね自分の心の闇が実際に現れる日の事です。
心に秘めた痛みや悲しみが大きければ大きいほど闇は深くなります。
アリスの場合は“自責の念”と“失った悲しみ”心に抱える“存在意義の不透明さ”があまりにも強かったからこそ、身体全体で飲み込まれたといっても過言ではありません。
あなたってば、うっかり自分の闇に飲み込まれて幻想を見たんです。」
小難しい話を一片のつまりもなく、滑らかに滑らせていく。
確かに、何か黒いものが身体を覆った覚えがある。そのせいであたしは暗闇の中でもがく結果になってしまったのかと、納得する。