真夜中のアリス
この不思議の国は、何でもありのようだ。
まああたしの乏しきイマジネーションによる夢の世界なんだから何でもありも全て仕様なんだろうけれども。
…この女王さまならば、庭に咲いた薔薇が白くてもペンキで塗り潰したとしても、ちょっと罵声を浴びせて終わりなのだろうなとぼんやり思う。
「何と言いますか…随分と酷い言い草ですね、アリス。闇の中で迷子になったって聞いたから捜しにきたというのに」
深い溜め息と頬杖をついてはっきりとレジーナは告げる。2人も肯定をするように意味深く頷いたりを繰り返している。
「…あたしを捜しに?」
最後の言葉で動きが一瞬停止する。
眉をひそめ、燻しんでレジーナを見るとそれはそれはチシャ猫の通り名“無表情の笑顔”通りな態度で問いかけに応じる。