真夜中のアリス

あの森は人為的に作られた、ともとれる発言。
そしてこの煌びやかなこの街も。ウサギが口にする、“女王さま"のために設立されたかのような…。

「ふーん…よく分かんないけどさ」

そんな、生まれた疑問をどう言葉にして表すのかが検討がつかず、曖昧にウサギの言葉を濁す。

「さぁ、アリス。これから街に入るよ。それにあたって、幾つか注意事項」

背を向けて前に進んでいたウサギ。
くるりと裾を翻し、拍子に、ウサギの漆黒の羽織はふわり 宙を舞う。それは、可憐で麗しい幼い少女がお気に入りのドレスの裾を拡げて、「どうかしら?私のドレス」と嬉しそうに話している姿に酷似している。
そして目を合わせるためにじっとあたしの顔を見つめる。
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