【続】興味があるなら恋をしよう
「でも、どうしたんだ?そんな事、急に言うなんて」

…。

「…匠さんが、…」

「うん」

「匠さんが好きだから。
匠さんの、負担が少しでも減るならって…」

「はぁぁ、紬…」

本当に、お前というやつは…。
高がなんて言ってはいけないが。
セックスの事で…、俺の負担か…。
…はぁ。

「部長になってから…前より、ずっと責任も重くなりました。帰りも遅くなる事もあります。
…だから、そうしておけば、心置きなく、…出来るのかなって…」

「うん…」

そこまで考えさせたのは、俺がいつという事無く、節操がないからだよな。

真面目な話だ。
望まない妊娠は避けられる確率は高くなるかも知れない。
…心置きなく、か。
違うな。

「紬、今のままで、いい。その方が俺の為でもある。
それは紬の為でもある」

「え?為って…」

「うん。紬がそんな事してみろ。
俺だぞ?
今だって、仕事で疲れたとか、遅くなったとか、関係なくしてる…。
それが、今よりもっと、更に制限無く、してしまう事になるぞ?
いいのか?そうなっても。
紬、凄く大変だぞ?」

「あ、…それは、…身体が大変かも」

「な?だろ?
だから、今のままでいいんだ。
俺の事を考えてくれた、紬の気持ちだけで充分だ。
大丈夫だ。
そんな事しなくても、変わらずするから」

…。

それはそれで大変なんだけどな。
疲れていてもしたいっていう、男の人のその衝動がよく解らない。
部長だけかな…。
男の衝動、とかっていう本、あるのかな。
勉強しようかな。…それに特化して。

「あー、なんなら一月とか、たまに試してみてもいいぞ〜?」

もう…、試みたりしません。
部長が、試してみようと思って言ってないのは解ってますから。
ただ、…私が飲み続けていたら、…妊娠する事は無いですから。

「で、仕事も話も終わったし、…紬…。
ここで押し倒すのも、たまにはいいかも知れない…チュ。
あ、やっぱり…じっくりだな…うん、あっちに行こう」

部屋の明かりを消された。
…寝室に…手を引かれた。
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