【続】興味があるなら恋をしよう

俺と居ながらも気持ちは流動的だという事だ…。
親御さんに坂本の事を話したのは、坂本の事を思ってではない。
そんな…、敵に塩をおくるような事ではない。

俺の目の届かないところに居るだけでは無い。そこには坂本がいつも居る。
これ程心配な要素があるか。
大友から藍原を守るようにして、いなくなった。例え、行き先が自分の部屋だとしてもだ。
帰ったらずっとだ。
坂本が直ぐ隣に居るじゃないか。
一緒にだって帰っているじゃないか。

大きく構えているのも、いい加減もう限界だ。
取られるかも知れないのに、あの部屋にズルズルと居させる訳にはいかない。

ドアを開けた時、藍原の様子がおかしいのは一目で解った。
藍原は、…女の顔をしていた。俺を見て、では無い。
切ない顔をして…腹立たしかった。
もっと若ければ、坂本の部屋に怒鳴り込んで殴り掛かっていたかも知れない。そうなってしまってもそれが普通…。
出来なかった、…やらなかったのは年齢だけの事ではない。
それがいきなりのモノで、坂本の一方的な行為であったとしても、気持ちは一方的では無いからだ。
…思い合っているからだ。

大友から離すように俺が行っていれば良かった。そしたら俺と一緒に俺の部屋に帰って来ていたんだ。行こうとしたが…直ぐ動けなかった俺が悪い。仕方ない。
こんな時とばかりに、酒を注ぎに来たりする社員を、上手くかわせなかった。
飲まないって言っているのに、まあまあと、押し問答が長いんだ…。

「課長?…」

話があると誘っておきながら、俺が黙り込んでしまってはいけないな。

「あ、あぁ。…。何があっても俺は変わらない。そういう事だ」

課長は諦めたりしない。
俺も藍原も好きだという事を理解し、その上で何か起きても、揺らぐ事はない。
…ブレブレなのは俺の方だ。
諦めようとしたり、衝動的になってみたり。どうしたいんだ、どうなりたいんだ。
結局は藍原と一緒に居たいと思って終う。

こうなったら奪って終ってもいいんじゃないか。
この課長から奪えるならだけど。
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