【続】興味があるなら恋をしよう

藍原を取り巻くモノも急に動き出したのだと思う。
この年齢の今だからこそ、あんな出会いをしたんだと思う。

全てが偶然だと言われても、それが度重なると、縁のある運命だと思いたくもなる。
第一、俺は、どうしようもなく好きだ、惹かれている。
会って間もない時から無意識に接触している。

…ずっと一緒に居たかった。
藍原はそんな気持ちにさせる。
自分自身、悪びれたところも無く、藍原に自然に関わりたくなってしまう。

「課長は、何で、とか、何、何、とか、言われませんか?」

「ん?どういう事か良く解らない」

「すいません、俺も言い方が良くなくて。
藍原はよく、それってどういう意味ですか、みたいな意味で、聞くんですよ。
解ってて聞いていると、俺は思ったんですけど…」

「具体的には?例えばどんな事を聞くんだ」

「俺って何、とか、私の何とか。まあ、遠慮なく行き来してましたから」

気持ちに気が付くより先に、近くなり過ぎたんだよな。
だから藍原は感情が解りづらかったのかも知れない。
だから、何、って…。
気持ちを認めたく無いのか、本当に気付いてなかったのか…。
普通、解るだろって、呆れてイラッとしたな。フ…。

行き来してたって言って良かったかな。
言って終ったものは、もう取り消せない。
…事実は事実だし。
仕方ないか。

「…そうか。はぁ…、妬ける話だな…」

坂本はこっちに来て直ぐから接触してるなんてな。
期間は短くても、俺以上に藍原の色んな表情を知っているのかもな。藍原も坂本には自分を見せていたのかも知れない。
はぁ…楽し気にじゃれてるところを想像したくない…。

「目茶苦茶、妬ける話だ…。マスター!同じものを彼に」

え゙!課長。
俺を酔わして、どうするつもりですか。
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