【続】興味があるなら恋をしよう
…冗談かと思っていた。
なのに、課長は部屋に着いて靴を脱ぐのももどかしい程、逸っていた。
私を抱き上げて寝室に運んだ。


「駄目です課長、…午後から、仕事にならなくなります」

「俺は俄然、仕事にもやる気が出る」

…。

もー!話が噛み合わないんですけど。
ささやかな抵抗も無理みたいね。

「…昨夜から考えてたんだ。もし妊娠してたら、この先、出来なくなるんだなって。5ヶ月くらい出来なくなるんだって…」

…何を考えていたと言うのかと思ったら。子供の名前を考えていたなら、気が早くてもありそうな話だけど…。

「俺達はまだ、一緒に暮らして間も無いと言ってもいいくらい未だ日が浅い。婚姻関係になったっていうのも最近だよ?
急に今日から何も出来ないで数ヶ月過ごすなんて、…考えられないって思ってたんだ。
だから、今回、出来て無かった事は、そういう意味では嬉しいんだ。あー、喋ってるこの時間が勿体ない。一刻も早く、触れたい。…抱きたい」

あ…、課長。
真っ昼間ですってば。
…また、こんな時間にぃ?しかも、カーテン、開きっぱなしですー…。

「…課長、嫌…、カーテン…開いてます」

「いい。俺の身体なら、はっきり見放題、見てくれ、紬」

あ、もう、そういう意味で言ったんじゃないって知ってるくせに。
せめて、閉めてー。

「んん…午後も休んじゃおうかな…。病院が混んでるとか言って」

「そんな…不真面目な課長は課長じゃありません」

「ん…駄目かな」

「駄目に決まってます!」

ぁ…ん、ん…もーっ!



「…紬」

「…は、…い」

「先生に、…触られた?」

…。だから、なのね…。

「…検査ですから、それは、はい」

…。

「あ゙ー、考えたく無い。紬のに触ったとか、見たとか。あ゙ー、あ゙ー、考えたくない。…エロドクターのやつ…。
駄目だ。当分、妊娠は無しだからな。産科は絶対、女医さんのところにする。…それでも嫌だけど」

…課長。壊れかけてます?

「課長?あの、今日は内診、してないですよ?」

「ん…本当か?!」

「はい、妊娠は尿検査で診断出来ますから」

そう言うしかないでしょ?…こんなに騒ぐなんて。今後が大変。
…私も、先生とは言え、男の先生はちょっと…。
できるなら遠慮したい。やはり、どうしても決まりだと言われても…嫌なモノだ…。

「…ちょっとどころか、嫌に決まってる…先生だからって」

あ、また心の声を漏らしてしまった。

「ん?」

「あ、男の先生は、私だって、嫌って、ことです」

「チュ、…だろ?…紬に毎回触るなんて…。駄目だ駄目だ、絶対駄目だ!」

…もう、検診の内診の部分も、きっと読んだのね。流石、特化した勉強家ですね…、課長…。

「あ、課長、身体を休めて、睡眠はキチンと取ってくださいって、言われましたよ?」

「ん?」

「…夜、ちゃんと寝かせてくださいって、事です」

「ん…解ってる。…今は昼間…だから」

…、本当に解ってます?それ、屁理屈ですよ?

「あ、あと…いつ妊娠しても身体は心配無いです。子宮とか、血液とかも、検査してもらいました。今、異状は無いそうです」

「そうか、有難う。…ん?子宮の検査って?」

…。

「あ、…超音波で、こう、お腹の上を機械をスライドしながら診る…だけ…で、す」

「ん、…、…それでも…お腹の…下の方、触るだろ?」

「機械で、です」

…。

「ん゙ー。…ん゙ー」

…どれだけ妬けば気が済むのかしら。
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