天神学園の問題児再来
「シオン君が、盾や鎧とするには頼りない…そう思わないように、私は強くなる必要があるんです」

「……」

柔らかなリプニーの体に抱き締められると、リーダーとしての重圧、勇者としての重圧が、僅かばかり和らぐような気がした。

「エージェントの任務としての仮初めの役職とはいえ、先生なのに頼られないのは悲しいです…悩みがあったら、いつでも相談して下さい。吐き出す事で、少しは楽にしてあげられますよ?」

「…ああ…有り難うリプニー先生」

オドオドして、破廉恥属性のシオンに翻弄されても、やはりリプニーはシオンよりも歳上の、大人の女性だ。

素直にここは甘える事にする。

まだ発展途上の仮免勇者。

彼が気丈に振る舞い続け、真の勇者として成長する為には、リプニーのような心の拠り所が必要なのかもしれない。

< 1,029 / 1,120 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop