天神学園の問題児再来
「5分くれ」

シオンは言う。

「5分だと?確かにお前のアレは相当な魔力の集中が必要だが…それにしては長すぎるんじゃあないか。俺との試合の時は、5分もかからなかった筈だが」

「…ちょっと…試したい事がある」

シオンはそう言って、龍鷺郎の顔を横目で見た。

…この土壇場、窮地に追い詰められた状況で、試したい事だと?

しくじればシオンと龍鷺郎は勿論、一味の全員…いや、天神学園そのものが陥落する。

そんな土壇場で、試したい事だと?

「大いに気に入った」

龍鷺郎は学帽を目深に被った。

学帽の鍔に隠れたその表情には、笑みさえ窺える。

「託されたからにはその5分、俺が命懸けで稼いでやる」

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