天神学園の問題児再来
そんな崩れ落ちそうな真太郎を。

「いいんだよぉ」

何時の間にか正面に回り込んでいた紫陽花が、抱き締める。

「そんなに歯を食い縛ってたら、疲れちゃうよぉ。ほら、力抜いて抜いて♪」

貴様に俺の何が分かるか!

心の中で吠える。

屈折した真太郎のプライドが、紫陽花の抱擁を拒絶する。

だが、紫陽花の柔らかな温もりは、あまりにも心地が良く…。

「おお…」

真太郎は、ゆっくりと跪く。

昔、父との稽古の中で痛烈な一撃を受けた時、痛みどころか眠りを誘うような感覚と共に失神した記憶が甦る。

そう、痛烈な一撃だったのだ。

既に全てに抗う事に疲れ果てた真太郎にとって、紫陽花の優しさと抱擁は、痛烈な一撃だった。

「おぉぉおぉぉぉ…」

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