恋する5秒前~無愛想なキミと~
「やったぁ!お兄ちゃん遊んでくれるって、良かったね翔くんっ」
「やった!俺、宿題みてもらおうっと」
弟の翔も喜んでいる。
「いい?2人ともちょっとだけだからねっ。桜井君、何度もごめんね」
「俺が言いつってんだから気にすんな」
でも、家に上がるんだよね?
多分、家の中グチャグチャだと思うけど、片付けてるヒマはないか。
「じゃあ、どうぞ」
「お兄ちゃん、早く上がってぇ」
「お邪魔します」
カギを開けると未来は桜井君の手を引いて一番先に家に上がった。
私が家の中を片付けている間に、桜井君は弟の宿題をみたり、未来と遊んでくれていた。
未来は嬉しそうにキャアキャア言ってはしゃいでいる。
そうだよね。
未来はパパがいないから、男の人と遊ぶの久しぶりだもんね。
彼等を見ながらしんみりしていると、
「翔くん、あのね」
未来が翔を呼び止めて、ひそひそ話を始めた。