恋する5秒前~無愛想なキミと~
教室のドアをガラリと開けると
わわわっ!
早い、もう人が来ている。
教室の片隅で寝ている人を発見した私は、びっくりしてその場で心臓が跳ね上がった。
あぁ、びっくりしたぁ。
心臓が止まるかと思ったよ。
静かにドアを閉めて、寝ている人を起こさないように足音を立てないように気をつけながら移動する。
大丈夫かな、起きちゃうかな?
そっと椅子を引いて自分の席へ座った。
き、緊張したぁ。
ホッとひと息ついた途端に、ガタンと音がして後ろを振り返ると
「水野?」
「……桜井君」
起きたばかりなのか、眠そうな顔をして私のことを見ていたんだ。