世界はまだ君を知らない



なんで、ここまで言われなくちゃいけないの。

仁科さんがくれたこころが、言葉が、崩れそうに揺らいでしまう。



怖い、悔しい。



……私、このままでいいの?

昨夜、私を抱きしめてくれた彼が、前に言ってくれた。



『俺が、お前を変えてみせる』



その言葉とともに、沢山の希望をくれた。

なのに、弱いままでいいの?

変わりたいと、願うだけでいいの?

甘えてばかりの、自分でいいの?



繰り返す問いかけに、徐々に目が覚めていく。



「俺が抱いて、女にしてやるよ」



そしてそれはそのひと言によって、ついにプツンと切れた。



「……余計なお世話」

「へ?」



小さな声で呟くと同時に、私はキッと目をつり上げ、いっそう視線を鋭くする。



「『相手してやってもいい』?『女にしてやる』?随分偉そうな言い方してるけど、誰もそんなこと望んでないんだけど」

「え?す、翠?」

「そうやって人をバカにして楽しい?偉ぶって見下して満足?小さい男だね」



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