浮気、されても好きだなんて。



後ろからぎしっとスプリングの軋む音がした。






「ん……、まだ、寝ないの…?


今、何時……」





寝ぼけた声で手探りに何かを探している。



「これ、探してるの…?」


おそるおそる私はスマホを差し出した。






「ああ、それ……


……もしかして、中、見た?」





突然焦ったようにこっちを見た。




夫の目をしっかり見ながら頷いた。





とたんに、絶望と羞恥と焦りとなんかいろいろ混ざった顔をした。




「え、見たってことはあれだよね、え、恥ず、じゃなくて、ああああ、見られたってことはあのメール、え、そういう……

終わった。」






ずいぶん大きい声で独り言を言っていた。





そして、私に向き直ると、




< 8 / 13 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop