きみのためのプレゼント
日を追うごとに体育祭のことが着々と決まっていく。うちのクラスのクラスカラーは黄色。そして、応援合戦には、今流行りのダンスを踊ることになった。

それこそ、私は見学だろうと思っていたけれど、リハビリの先生に話すと、せっかくだからやってみたほうがいいと言われた。


と言っても上半身のみのダンスだし、そんなに激しい動きもない。ただ、元々ダンスなんて恥ずかしくてやりたくないし、去年も逃げ帰ったくらいの私。さすがに今年は逃げ帰るわけにいかないか。



九月下旬の最終週。珍しく、今日は居残りをしていたから帰るのが、遅くなってしまった。というのも私がクラスの旗の下書きを担当することになった。


今まで絵なんて描くこともなかったのに、なんとなく数学の授業が身に入らず、ノートにサラッと描いたイラスト。それをハルがいたく気に入ってクラスの旗に推薦してしまったのだ。


そして、それをなぜか気に入られ、選ばれてしまった。

今まで、私は絵なんて描いてもうまいと思われることがなかったのでこれも翔平の境遇なのかもしれない。確かにいつもよりうまく描けたと我ながら思ったくらいだから。


結局、最後まで残っていたのは私だけ。みんな部活やバイトに出かけてしまった。バイトももう少し、リハビリに慣れたらしてみたいと思う。

結局、私は天狗の鼻を折られて正解だったのかもしれない。今は、向上心が大きく芽生えている。人の目と戦いながらも、色々と挑戦したいんだ。


昔の私とは大違いだな。
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