俺様上司に、跪いて愛を乞え
「部長…どうして……?」

起きぬけでぼんやりとする頭で訊ねると、

「どうしてじゃないだろう……」

と、呆れたように返された。

フロア内をぐるっと見回すが、まだ他に出社している社員の姿はなくて、そこにいるのは新藤部長だけだった。

「でも、部長…まだ誰も来てませんが……」

なんで部長がそこにいるのかがわからなくて、頭には疑問符ばかりが浮かんだ。

「俺は今日のプレゼンの準備で、早く来たんだよ」

ああ、と思う。一見冷血な俺様にも見えるこの人が、若くして部長にまで上りつめたのは、仕事にこんな風に隙を見せないからだった。
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